2016年4月29日-5月1日
参加者 コーゾー、局長、ユキ(ゲスト)、おんせん
行程 上高地-徳沢-長塀尾根-蝶ヶ岳(ピストン)
距離 往復27.6km
最高標高 2677m(獲得標高 1115m)
今年は、眺望の名山・蝶ヶ岳を目指します。事前の天気予報では、概ね晴れ予報。
当初は稜線でのテント泊の予定でしたが、コーゾーさんの膝の調子が今ひとつということで、荷物を軽量化するために山小屋泊に変更。これが後に吉と出ることに繋がります。
関東組の3人とゲストのユキさんは、松本インター近くのコンビニで朝5時半に待ち合わせ。6時半にアルピコタクシー沢渡営業所着。タクシーで上高地に向かいます。
7時、天候は快晴。上高地から穂高方面がくっきりと見えています。ルンルン気分で徳沢までのハイキングコースを進みます。おんせんとコーゾーさんは、ちょっと寒いのと気分高揚で、ペースがついつい上がってしまいます。
▼上高地から奥穂・吊尾根方面を望む。
8時45分、徳沢園到着。当初の計画より、上高地までで30分、歩きで15分短縮。時間短縮にこだわるのは、天気予報では、「午後は雲が広がりやすい。小雪の可能性も」というものだからです。
徳沢園の脇からいよいよ長塀尾根の長い登りです。長塀と書いて「ながかべ」と読みます。標高1600mから2100mあたりまで、500mを一気に登ります。ひたすら樹林帯を行く、正直退屈な登りです。トップは、今日も局長。天使の引きです。セカンドは、コーゾーさん。相変わらず局長の後をピッタリとくっついて隊列を乱しません。後は、ゆるゆるとおんせん、ユキと続きます。
2100mあたりから雪が出て来ますが、ザラメ雪でアイゼンは必要ない感じです。11時、早めの昼食。あまりに単調なので飯でも食って気分転換です。
▼ユキのごはんは、知る人ぞ知る山の定番?「おにぎり茶漬け」です。
▼ここまでは元気なコーゾーさん。
飯食ってリスタート。ここからは、おんせんが前を引きます。局長を見習って天使の引きを目指してゆっくり登ります。が、登り初めると後のコーゾーさんの息が荒い。ゼーハーぜーハー。「むむ、おかしいな。コーゾーさんこんなに息荒かったかな?」と不審に思っていると、後から局長が「おんせんさん、ペース速すぎ!」と一声。コーゾーさんすかさず「その通りであります!」と来た。あちゃー、どうも知らないうちにわたし、頑張ってしまっていたようだ。自転車と同じで先頭に立つとついペースが上がってしまうのです。
ということで、先頭はまた局長にチェンジ。しかし、コーゾーさんのゼーハーは続く。どうやら昼食後からなぜか調子が悪くなっちゃったみたいだ。
標高2200mあたりから傾斜が緩み、ここから頂上まではさほどキツい登りは出てこない。相変わらずの樹林帯だが、木々の間隔がまばらな感じになってくる。
12時50分。標高2565mの長塀山到着。ここからは小さなアップダウンを重ねながらあと100mほど標高を稼げば蝶ヶ岳山頂だ。問題は、天気。だんだん雲が増えてきた。樹林帯の中なのではっきりは分からないが、引き続き晴れてはいるものの稜線は雲に覆われてきている様だ。
▼山ではいつも余裕のコーゾーさん。今日は余裕なし。
13時25分。妖精の池到着。山頂まであと15分という地点だが、既に空は曇りに変わり、小雪がちらついている。この時点で今日の山頂絶景はお預けになった。まあ明日があるさと、気を取り直して、山頂へ向かう。
▼妖精の池。何故かモノクロ写真になっちゃった。意外にいい感じ。
▼もう天気はあきらめた。山頂直下の雪田にて。
13時55分。標高2677m蝶ヶ岳山頂に到着。名物の強風が吹いている。そして一番の名物の穂高・槍の絶景は‥、うっすらとガスの奥に見えるような見えない様なという感じ。なんとか常念岳方面は、見えている。
▼後ろの山は、常念岳。テント場にはそれなりの数のテントが。
▼耐風姿勢を取るメンバー。練習です。
今日の宿は、山頂直下の蝶ヶ岳ヒュッテ。思ったよりもお客さんの数は多い感じ。我々が案内されたのは、屋根裏部屋の様な暗い部屋。天井が低いので、全員ガンガン頭をぶつけてしまった。
▼暗いながらも楽しい我が家。
外の天気は、どんどん酷くなって行きます。ほとんど吹雪の様な状況。でも天気予報は、明日は朝から晴れの予報。明日の絶景が楽しみです。
夕食後、談話室でコーゾーさんの手品で今日の小屋のスターになってもらおうとなんとか場所を確保。じゃあコーゾーさん、トランプ持って来てくださいよ、と言ったら意外な反応が、「すみません。今日体調が悪くてとてもそんな気分になれないんです。とにかく横になりたい気分」と。
軽い高山病なのかなんなのか、まあ寝れば直るでしょうと、残った3人は三島辺りから来たご夫婦と沼津アルプスやら深南部やらの濃い〜山話に花を咲かせて、9時就寝。明日の天気に期待です。
夜中も凄い風で目が覚め、1階に降りると、暗〜い談話室に亡霊の様に座る人影がぽつりぽつり。ギョッとしてよく見ると床に寝袋で寝ている人も。どうやらテント場から避難してきた人がここに集まっているらしい。我々ももし予定通りテント泊だったら、真っ先に避難してきたことは必至ですね。
翌朝、天気はというと‥、全然ダメ。相変わらずの雪と風。今日の予定は、気持ちのよい稜線を蝶槍まで行き、来たときとは別のルートで横尾に降りるというもの。局長は、朝の天気も見ても、初志貫徹を主張していましたが、ひとたび表に出て風と雪を浴びると、この計画はあっけなく断念。7時20分、元来た道で下山開始。
帰路でほんの100mほど稜線を歩くことになるのですが、身体が一瞬浮くくらいの瞬間も。それでも、常念岳方面に行った強者も何組かいたというのをヤマレコで見てビックリ。我々がそっち方面に行っていたら即撤退となるような風雪でした。
▼テント場に出るともう凄い風。
登りは結局ノーアイゼンで山頂まででしたが、今日は下りなのでアイゼン装着。
▼アイゼン装着すると気分は玄人
▼赤いテープを見失わないように進む
気温も低いので、アイゼンの利きもよく、気持ちよく下れました。コーゾーさんの体調も回復し、10時50分徳沢園到着。
▼ラストは500mをひたすら下る。
▼山頂は吹雪で、下はのどか。
明神館で生ビールとお昼を済ませ、12時30分無事上高地バスセンター到着です。
今回の山行は、目的の絶景は不発に終わったのですが、春の吹雪、天候の激変、アイゼン歩行などいろいろYOC登山部の経験値がかなりアップしたいい登山だったと言えるのではないでしょうか。
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今日の一枚
▼蝶ヶ岳山頂直下から稜線を望む。