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【GW・YOC登山2018】雪と花と藪もある春の越後駒ヶ岳 by おんせん   

2018年 05月 03日

日時 2018年4月29日-5月2日
参加者 スモーキー、隊長、おんせん
行程 前日 (移動のみ)新潟県魚沼市シルバーラインゲート付近駐車場泊
   初目 銀山平-道行山-小倉山-駒の小屋-越後駒ヶ岳-駒の小屋泊
   2日目 駒の小屋-(来た道)-銀山平:その後道の駅南魚沼周辺泊
   3日目 湯沢中央公園-鋸尾根登山口-飯士山南峰-北峰-岩原スキー場-中央公園
行動時間 初日 8時間20分
     2日目 5時間10分
     3日目 6時間35分
獲得標高 初日1293m
     2日目 104m
     3日目 925m

YOC登山部。去年は至仏山・景鶴山の冒険的登山を果たし、今年はどうしようかと相談していたら、隊長が参加してくれるという。これ幸いにとプランニングまで全てお任せしてしまって出て来たのが、越後駒ヶ岳と飯士山というセット。

越後駒ヶ岳は100名山で誰もが知っている山だが、飯士山とはなんだろう。おんせんは、出発前日の夕方にこの飯士山を研究しようとしていた矢先にメッセージが。「隊長が待ってます」というスモーキーさんからの連絡だ。???、待っている? 何を? そこでハタと気が付いた。なんと出発は明日じゃなくて、今日だったのだ。

その日あらかた準備していた道具一式を持って、なんとか45分ほど遅れて相模原を出発。ありえない失態をさらけ出してしまった。

越後駒ヶ岳のアプローチは、シルバーラインを使って銀山平からスタートする。シルバーラインは、朝6時開通なので、ゲート脇の駐車場にテントを張って前泊する。
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6時5分にゲートを出発。6時40分に銀山平の石抱橋に到着。すでに10台ほどの車が停まっている。

▼今日の夜のためにフキノトウを採集。
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6時50分、スタート。「河は眠らない」という開高健の石碑が橋の脇に立っている。まずは、北ノ又川の上流に向かって進む。スタートから雪道だが、ところどころに夏道が見えていて、今年の雪解けは早い印象。

▼開高健「フィッシュオン」に銀山湖のイワナ釣りが出て来る。
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​天気は上々。目指す越後三山の越後駒ヶ岳そしてその隣の中ノ岳もクリアに見えている。気温はかなり暑い。この日差しと暑さがこの先我々を苦しめるとは、この時点では思いもよらなかった。

歩くこと50分ほどで、北ノ又川に別れを告げ、支流の谷に入っていく。ここからいよいよ本格的な登山が始まる。

支流に沿って行くと最初の目的地・道行山の尾根が現れ、向かって左側の尾根に取り付く。いきなりの急斜面だ。10分ほど上り詰めると、稜線は藪で覆われていた。このくらいの藪でひるむ隊長ではない。「薮漕ぎ隊長」と言われているとかいないとか。

藪は、主にしゃくなげの藪だ。しやくなげの藪は枝の密度が深くてかなり難儀する。10mほど藪を進むと隊長があまりの藪の深さになんとも言えない厳しい顔をして立ち止まり考え出した。

「進むか引くか。藪はかなり長く続いている。突っ込めるか。戻れば高度にして100mほどが無駄になる」

▼背丈ほどのしゃくなげの藪に行く手を阻まれる。
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おんせんとスモーキーは、隊長の決断を待っている。ここを突っ込むとなると相当の試練が待っている。しかし他のルートはあるのか。どうする隊長。

しばらくして隊長が言った。

「ごめん。ちょっとウ○コしていい?」

とやおら我々のちょっと脇で始めてしまった。なんとも言えない匂いと空気が残雪の稜線に漂い始めた。とてもここにはいられない。2人は、たまらず言った。

「隊長。一旦戻って下で待ってますね」

こうして、この稜線からの撤退が決まった。さすが薮漕ぎ隊長。こんな藪で動じることなどない。チャンスとばかりに雉子を撃ち、その流れで撤退を決めてしまった。

GPSでレポを調べると、この稜線は積雪期には歩かれているが、今年は雪解けが進み藪が出てしまった様だ。この尾根の右側の尾根が本来のルートとわかり、転進する。

ここから道行山まで標高差400mを一気につめて行く。太陽に背中を焼かれながら、100mほど登ると雪が溶けて夏道が出て来た。雪解けの時期を待って一気に花々が咲き始める。ここから隊長の花のガイドが始まる。

▼イワウチワ。白っぽいものからピンクのものまでいろいろ。
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▼タムシバ。「北国の春」の歌詞・コブシ咲くはまちがい。あれはタムシバ(隊長談)。
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▼カタクリ。ここのカタクリはピンクと言うよりむらさき色。
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▼イワナシ。梨の様な実を付ける。
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まだまだたくさん咲いていたが、実はおんせん。この写真は全て下山時に撮った。暑さと急登と補給不足で、段々余裕がなくなり、ついに道行山直下では、2人から遅れ出すありさま。軽いハンガーノック状態だ。

▼道雪山直下。2人の姿が遠くなる。キツい。

10時45分、道雪山。見かねて隊長が早めのお昼休憩を宣言。助かった。ここまで3時間15分経過。ここで食料班長・スモーキー特製のサンドイッチを食す。美味し。

元気が出て再出発と言いたいところだが、ここでおんせん2リットルの水を使い切ってしまう。スモーキーさんもほぼ水がなくなっている。初夏を思わせる暑さに、水の予定が狂ってしまった。隊長に少し分けて貰い一息付くが、厳しい状況に変わりはない。

ここからの稜線は素晴らしいのひと言だ。越後駒ヶ岳がどっしりとデカく見える。深田久弥ばりに言うと「その稜線からの駒ヶ岳は、泰然として揺らぐことなく座している。登山者はこれまでの疲れをここで昇華させ、新たな力を漲らせることであろう」。

▼最高の天気、最高の稜線。
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道行山から一旦、100mほど下って、200mほど登り返して小倉山へ。山頂はトラバースして、いよいよ越後駒への本格的登攀が始まる。中腹にとてつもなく長く急な斜面が見える。標高差250m斜度30度程の上級者ゲレンデの雰囲気。

「うわ〜。あれを登るのか。あれ登ったら小屋だよね」
「いや、小屋はもう一段上の急斜面の先にある」
と地図で確認する。あれが最後なら頑張れるんだが、その上にもう一段あるとは。しかも山頂は、小屋からさらに100m登らないといけない。

13時20分。いよいよ大斜面直下に到着。隊長が言う。「最後に山頂を登る体力を残しながら、セーブしながら登ろう」。おんせんは内心、「今日はもう山頂はいいかな〜。明日も晴れ予報だから明日登ればいいな」と。

▼本日の核心部。長い直登が始まる。
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隊長が先導して、ジグザグに登って行く。隊長の踏み跡を忠実にたどりながら一歩ずつ着実に。たまに踏み跡を踏んでもザザっとずれることがあり、余計に体力を消耗する。普段ならこの程度の斜面は直登で問題ないはずなんだけど、5時間半歩いてのこの坂はつらい。

坂の途中で隊長が水場を発見!助かった。これであと少し頑張れる。この大斜面は、40分ほどでクリア。

14時30分。ついに小屋までの最後の坂にとりかかる。こいつは最後にして最大の斜度がありそうだ。ついにピッケル登場。三点支持で滑落しないように着実に登る。


登ること10分ほどで、あっけなく小屋に出た。これは嬉しい誤算。これならこのまま山頂に足を伸ばせそうだ。ちなみに小屋までは休憩とルートロスの計80分込みで7時間50分かかった。夏時間は6時間半。結果的にはまずまずのペースだった様だ。
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小屋で空身になって、すぐ山頂アタックに出発。15時15分、小屋から20分ほどでついに山頂到着。思わず田中陽希ばりに「やったぞー」と叫びたくなるような充実感。(調べてみたら、8時間以上かけて山頂を踏んだのは麓からの乗鞍岳に次いで2度目でした)

八海山、中ノ岳を初めとした越後の山々が最高に美しい。素晴らしい山頂です。
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▼越後三山・八海山。お酒で有名ですね。
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▼こちらは三山で一番地味な中ノ岳(奥の山)。
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▼山頂からのビュー。(磐梯山と言っていますが、守門岳の様です)


小屋に戻ると先客は1名。我々は誰もいない2階を独り占めします。2階の方が断然暖かくて過ごしやすい。早速宴会に入ります。

隊長特製のフキノトウと岩のり和え。自家製金柑酒とゆず酒。スモーキーさんが作るもつ鍋、キノコのチーズ炒めなどなど。宴会は続きます。
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翌朝、起きるとあたりはガスの中。昨日山頂踏んでおいて大正解です。

朝6時50分に下山開始。昨日厳しかった斜面も、え?こんなものだったのと思ってしまうくらい易しげに見える。

▼ガスが切れ薄日が差してきた。
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12時下山。下りは5時間10分。休憩込みでほぼ夏道時間通り。

▼行きにはなかったデブリ跡。こんなの喰らったら大変。
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さてこれからおんせんに取って全く未知の飯士山に明日登るべく、麓の南魚沼目指して出発。




by yamaoyaji_club | 2018-05-03 09:18 | 山の話題 | Comments(0)

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